Balkan Folk Music Discography

バルカン半島~黒海周辺地域の音楽と踊りを深掘りするブログ

ホラ・ディン・モルドバ(Hora din Moldova)

前回ベーナズ(Behnaz / Arash)の話の中で、2009年のユーロビジョンソング・コンテスト(Eurovision) の話題にちらっとだけ触れました。ヨーロッパおよびその周辺国では各国代表によるこのイベントが毎年行われています。2009年の大会(Eurovision 2009)はロシア共和国のモスクワで開催、43か国の各代表で競われました。前回話題のアイセル&アーラシュのアゼルバイジャン共和国代表は第3位に輝きました。

今回は、そのEurovision 2009出場者の歌から一曲、モルドバ共和国代表、ネリー・チョバヌの「ホラ・ディン・モルドバ」を紹介したいと思います。他の国の代表たちと比べて、ビジュアルのインパクトが強いというか、もうベクトルが違いすぎるので(笑)

 

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タイトルの「Hora din Moldova」は「モルドバのホラ(踊り)」。そのまんま。とてもわかりやすいです。

モルドバ(Moldova、モルドヴァ)はルーマニアウクライナに挟まれた内陸国。14世紀にルーマニア人によって建国されたモルダビア公国がルーツのため(歴史的経緯は複雑ですが)、モルドバ語はほぼルーマニア語と同じです。

 

 

歌詞について、Eurovision 2009向けバージョンではモルドバ語と英語のミックスになっています。出場前のPVでは英語の分量が多かったのですが、出演当日は大部分がモルドバ語に置き換わっています。また、モルドバ語フルコーラスのロングバージョンもあるようです。が・・・

 

まあそんなことよりも、ケーケーケーとか、テラテラーとか、ウーウォウォーとか、ルーとか、ヘッヘーイとか、シャッラーラライとか・・・、とにかく無意味な言葉が多い多い!

モルドバ語がわからなくても、一度聴いたらもうばっちり耳に残ります。

 

また、ネリ―の衣装もさることながら、4人のバックダンサーがアクロバティックで、ダンスもモルドバルーマニアの域を超えてロシア、コーカサスハンガリーっぽいですし、後ろで棒を振り回しているおじさんも最後まで謎。ヨーロッパ世界の大舞台にもかかわらずもう何でもアリな感じが実にたまらないです。

 

Eurovision 2009では決勝進出するも14位と残念ながら伸びなかったのですが、モルドバ国内では大変な人気のようです。少し動画を探すだけでも、多くの歌手がこの曲をカバーしており、また子供たちのダンスパフォーマンスなどでもよく使われているのがわかります。子供たちのダンス映像は個人チャンネルからの投稿が多く、公的で良さげものがなかなか見つからないのですが、例えばこれなどはいかがでしょうか?

 

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これはモルドバ共和国南東部のカウシェニ地区公立図書館(Biblioteca Publică Raională „Ion Ungureanu” Căușeni)が公開している動画で、2017年3月4日実施の国際女性デーとモルドバ平和部隊週間に捧げられた多文化イベントでの一場面です。国内のさまざまな地区で活動する約30人の平和部隊ボランティアが参加しているとのことです。(この子供たちもボランティアなのかな?)

 

最後に

ヘッヘーイ! ヘッヘーイ!
ハーラー ホーラ、ハラ ホラ ディン モルドヴァ
(ホラを踊ろう、モルドヴァのホラを踊ろう!)

  ↑ ちゃんと意味ありました。

 

Discography Information

曲名:Hora din Moldova
作詞:Andrei Hadjiu and Aris Kalimeris
作曲:Veaceslav Daniliu
歌 :Nelly Ciobanu
フォーマット:CD-ROM, Maxi-Single
レーベル:Teleradio - Moldova
リリース年:2009