今回はセルビアの曲から選んでみました。といってもまだユーゴスラビア*1時代の曲なのでちょっと古い(いつものこと?)ですが、カンドロ(Kandoro)というアコーディオンの曲を掘り起こします。
Bata Kanda - Kandoro - (Audio 1973) HD
- 演奏:Bata Kanda (Vladeta Kandić)
- 作曲:Vladeta Kandić
- 収録レコード:Šiljkan, Srce Šumadije / B面
- レーベル、他:PGP RTB – S 10 153 (ユーゴスラビア, 1973)
カンダラ~!!
めちゃめちゃあやしい。
セルビアのフォーク音楽がみんなこんな感じということではありませんので、誤解なきよう。
カンドロは、1960〜90年代、旧ユーゴスラビアで活躍したアコーディオン奏者、ヴラデタ・カンディチ(Vladeta Kandić)(別名:バタ・カンダ(Bata Kanda))の代表曲の一つです。
ヴラデタ・カンディチは、1938年、旧ユーゴスラビアの首都ベオグラード生まれのセルビア人。音楽学校、第二男子ギムナジウムを卒業後、二十歳前にAKUDブランコ・クルスマノヴィチ(AKUD*2 Branko Krsmanović)楽団のメンバーになります。当時セルビアで最も有名なアコーディオン奏者のミオドゥラグ・トドロヴィチ・クルネヴァツ(Miodrag Todorović Krnjevac)およびラドイカ・ジヴコヴィチ(Radojka Živković)に師事。世界中を周り5000回の公演に出演し、セルビアの音楽だけでなくルーマニアやマケドニアの音楽も演奏したりジャズにも挑戦しました。またRTS*3交響楽団と協力して多数の曲を作曲しています。以上、 Владета Кандић -Wikipedia セルビア語版 より。
ふぅ。さて話をカンドロに戻します。
曲名は、見ての通り、自身のパフォーマー名「バタ・カンダ(Bata Kanda)」から取っています。
自分の名前をタイトルにするくらいだからよほどの自信作なのだろうと思いきや、1973年リリースの7インチ・シングル「シリカン・スルツェ・シュマディイェ(Šiljkan, Srce Šumadije)」のレコード・ジャケットの表にはカンドロのタイトルが記されていません(裏面にはあります)。
なんと、B面の曲だったんですね。
レコード・ジャケット写真はこちら↓を参照。
最近のKandoro演奏の例としては、セルビアの音楽バンド、エスノ・フューエル(Ethno Fuel)の2016年のライブの模様がありました。
会場すごい盛り上がり。
セルビアではよほど有名な曲なのでしょうかね。
バルカン音楽では、速弾きや変拍子に加えて、独特な装飾音が妙味の一つと言えるでしょう。
しかしこの装飾音は、西洋音楽の楽譜記法ではうまく表現できません。
自分でも楽器を構え、何度も音楽を聴いてはそれっぽく指をウネウネしてみるのですが、なかなかバルカンらしい雰囲気がつかめず、悩ましいところ。
そんな中、カンドロを一音一音ゆっくり弾いて見せてくれている動画がありました。探せばあるもんですね。
この動画では1分46秒あたりからゆっくりバージョンを弾いてくれています。
それで見た感想は、というと・・・
わからんもんはゆっくりやってもやっぱりわからん。
というところでしょうか。
やはり王道はなさそうで、何度も繰り返し練習して体得するしかないように思いました。■