ブログ1周年記念の音楽紹介は、レバノン生まれのアルメニア人歌手 アディス・ハルマンディアンのKaroun, Karoun(カルン、カルン)です。Garun(ガルン)とも言います。どちらも同じ「春」という意味です。
Karoun, Karoun
- 作詞作曲:Anonym
- 編曲 :Jacques Kodjian
- 歌 :Adiss Harmandian
- レーベル:Adisc Records, Lebanon, 1972
Karoun(またはKarun)とGarunの違いは、それぞれ西アルメニア語と東アルメニア語の発音および翻字法の違いです。アルメニア文字で書けばどちらもԳարունです。
Garoon(ガルーン)と書くケースも見られますが、英語表記的なんでしょうね。
東アルメニア語は現在のアルメニア共和国の公用語、すなわち普通にアルメニア語と呼ばれるものです。
一方西アルメニア語は、古代から主にアナトリア東部地域からシリア辺りに住んでいたアルメニア人の言葉です。
西アルメニア語の話者の多くは、19世紀から20世紀初頭にかけてオスマン帝国で起こったアルメニア人虐殺(ジェノサイド)を逃れ、ロシア、アメリカ、フランス、他周辺各国へと離散(ディアスポラ)しました。
アディス・ハルマンディアンは、ジェノサイドを逃れレバノンへやってきたアルメニア人難民家族のもと、1945年ベイルートで生まれました。
1972年にリリースしたKaroun, Karounは、主にアルメニア語で歌われており、レバノン、中東、そして離散したアルメニア人全体の間でのアイデンティティ形成に影響を与えた*1、とのことです。
Karun, Karun, Karun e
春、春、春ですSirun, sirun, sirun e
可愛い、可愛い、可愛いですEt k'o sev-sev ach'k'erov
その黒い黒い瞳でYar jan ints tu ayrum yes
愛しい人、あなたは私を燃やします
翻字(西アルメニア語)&和訳:Alagöz隊長
世界中に離散したアルメニア人にとっては、郷愁を誘う大切な歌の一つだったのでしょうね。■
\\面白かったら押してネ!//
にほんブログ村
【今回紹介した曲】