Balkan Folk Music Discography

バルカン半島~黒海周辺地域の音楽と踊りを深掘りするブログ

Mona Mona (No.5)

前回は、クリスティナ・サハキャン(Kristina Sahakyan)が歌うトゥン・サリ・マゼド・サリが、ハムシェンの歌手ギョハン・ビルベン(Gökhan Birben)の曲のカバーであったこと、その歌詞をアルメニア語に訳したのが民族誌学者のセルゲイ・ヴァルダニャン(Sergey Vardanyan)だったこと、そして「マドモネド・モナ(Madmoned Mona)」が、実は人名ではなく、「紡錘を回せ」すなわち「イリケド・マニル(Ilikd Mani’r)」と同じ意味であるということを突き止めました。

今回はいよいよ最終回、モナ・モナの第1段落にあったストーリーの飛びの謎に迫ります。

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Mona Mona (No.4)

4回目になりました。モナ・モナ、なかなか深いですね。

前回はクリスティナ・サハキャンの「トゥン・サリ・マゼド・サリ(あなたブロンド、髪はブロンド)」を紹介しました。ヘムシン女性の装束(ヘムシン・プシスィと呼ばれるスカーフ)を考慮すると、このタイトルにも深い意味が潜んでいることがわかりました。

また、サハキャンのYouTube動画トゥン・サリ・マゼド・サリの説明欄の最後に

ハムシェン方言のホパ下位方言での歌の記録と翻訳:セルゲイ・ヴァルダニャン(Sergey Vardanyan)

という一文がありました。
今回はこの歌の出どころに迫ります。

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Mona Mona (No.3)

モナ・モナの3回目です。前回はヘムシン方言で歌われるこの歌の日本語訳に挑戦し、その意味を読み解きました。しかし謎はまだまだ深そうです。今回は残りの謎解きをしてみます。

 

歌詞とその意味については、前回の記事をご覧ください。

balkankokkaimusic.hatenablog.com

 

前回この歌には何か別の背景がありそうだと書きましたが、何があるのでしょうか。

その手掛かりが次の動画に隠れていました。アルメニアのフォーク歌手のクリスティナ・サハキャン(Kristina Sahakyan)YouTube動画トゥン・サリ・マゼド・サリ(tun sari mazed sari)という曲です。

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