「隊長は普段こういう軽いノリの曲も聴いたりするの?」と訝しがられそうなヒップホップ系のポップスですが、もちろん普段は聴かないです(笑)。ときどき周りで見かける機会があったので今回取り上げてみました。
この曲が日本国内のメディアに流れていたかどうかは把握していませんが、イスラエルのモダン・ダンスとして踊っている人たちは結構いるようですので、せっかくだから楽曲の出どころを紹介しておこうかなと思います。
音楽ジャンルで言うとヨーロッパのポップスです。しかしダラブッカのリズムにシンセストリングスの旋律がオリエンタルな雰囲気をぷんぷん醸し出しています。それもそのはず。この曲、実はペルシャ語(イラン語)で歌われています。
Discography Infomation 作詞作曲:Arash
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このベーナズ(Behnaz、女性の名前)を歌うのはアーラシュ(Arash)というイラン人アーティスト、音楽プロデューサーです。
イランの首都テヘランの生まれですが、10歳の頃に両親とともにスウェーデンに移住し、そこで音楽に魅せられ作詞・作曲活動を始めます。2004年、デビュー・シングル「Boro Boro」がスウェーデンで空前の大ヒット。一躍ヨーロッパの歌手世界のトップへと躍り出ました。
上記のアルバムもワーナー・ミュージック・スウェーデンからリリースされています。しかし歌詞はスウェーデン語ではなくペルシャ語です。アーラシュによれば、「イランとペルシャの文化への深い愛着」のため母国語で歌うことを選んだとのことです。
2009年のユーロビジョン・ソング・コンテストではアゼルバイジャンの歌手アイセル・テイムルザダ(Aysel Teymurzadə)と一緒にアゼルバイジャン代表として出場し3位を獲得しました。
ごちゃごちゃになってきました。イスラエルだと思っていたら、イランでスウェーデンでヨーロッパでアゼルバイジャンですよ。国際的に活動するアーティストの作品を、どこどこの国の曲と限定したがるのはナンセンスなのかもしれません。
なお、この音楽自体はイスラエルとは何の関係もありません。イスラエルと関係するのはダンスのみです。誤解している人もいるかもしれませんので、念のため。
さてダンスについては、イスラエリ・ダンス・インストラクターのドゥドゥ・バルジライ(Dudu Barzilay)によって2009年に日本に伝えられました。マオリャン(Maor'yan)というダンス名がつけられていますが、これはドゥドゥの息子マオル(Maor)と娘マヤン(Mayan)の名前をくっつけたのだとか。踊りについては詳述はしませんが(下の映像参照)、関西を中心に学生にも人気があるようです。
このYouTube動画はイスラエリ・ダンスの指導方法や情報を扱う会社Rokdimが公開しているマオリャンの指導用ビデオです。音楽にのって踊っているシーン(3:09~)から再生されるようにしていますが、時間を前に遡れば踊り方を説明しているシーンもあります。踊りにご興味がありましたらそちらもどうぞ。